令和5年2月20日 予算委員会第6分科会(農林水産省)
全国で感染拡大がとまらない鳥インフルエンザについて、鶏卵の価格の高騰や今後の見通しを質問しました。
荒廃農地対策では、農地バンクや農業委員会での取組を取り上げました。
また、農地転用が難しい「農業振興地域」についても、問題提起を行いました。
○岬分科員 皆様、本日はお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。日本維新の会、岬麻紀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、荒廃農地の対策及び鳥インフルエンザについて御質問させていただきます。
まずは、通告の順番を変えまして、鳥インフルエンザの方から進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、昨年十二月八日、農林水産委員会におきまして、私の地元である愛知県豊橋市の十二月五日と十二月八日に発生しました鳥インフルエンザの発生につきまして、緊急で質問をさせていただきました。それから二か月以上経過をするわけですが、鳥インフルエンザの感染拡大は止まりません。今では動物園でも感染が拡大しておりまして、やむなく休園している動物園もございます。
今シーズンは、昨年の十月二十八日に一例目が発生し、それ以来、令和五年二月十五日九時現在で二十五道県、七十六事例が発生しています。約一千四百七十八万羽が殺処分をされてしまいました。ワンシーズンとしては、過去最大の記録となってしまいました。
そこで、伴いまして、卵のことについて注目をしております。
農水省が毎月公表しております食品価格動向調査によりますと、卵の全国平均小売価格は、昨年の十一月から上昇を続けまして、今でも上昇が続いております。JA全農たまごによりますと、卵の卸売価格の目安とされている東京区のMサイズ一キログラム当たりの価格は二月十六日に三百三十五円を記録しました。これは統計が公表されている一九九三年以降、最も高くなっているわけです。去年の二月の百七十五円から比べても平均価格は二倍近くになり、先月の平均価格は、五十五円、一気に高まっております。
近年では、買物をするときに、通常のスーパーマーケットだけではなく、高齢者の方もネットスーパーを利用されている方が増えてきました。そこから、私の支援者さんからもお声をいただいておりまして、ネットスーパーで卵を買おうとしましたら、白玉、赤玉など、これまでは種類が選べたのに、今はもう限定されてしまっている、さらに、一パックは二百九十八円、これは税込みにしますと三百円を超える価格となっているということで、こんなに高い卵ってどうなのかしら、そんな懸念をいただいているわけです。
また、消費者だけではなく、卵を使う飲食店にも影響は深刻です。レストランやコンビニエンスストアなど、卵を使った商品の販売が一時休止になっていたり、また、私の地元では、駅前の中華料理屋さんでは天津飯が発売されなくなっていたり、さらには、愛知県でチェーン店をされている喫茶店なんかでは、お客様へというようなチラシも配付されておりました。これは、鳥インフルエンザの拡大に伴って、卵を使用した商品が一時提供ができないというものでございます。
こういった状況におきまして、昨年十二月に私が質問をさせていただきました。鳥インフルエンザの感染拡大による鳥肉、また鶏卵の価格の影響ということで伺いましたところ、野中副大臣からは、現時点での流通段階での不足感は生じていないと聞いている、最近の価格上昇は、必ずしも鳥インフルエンザ発生の結果であるとは考えていないという御答弁をいただきました。しかし、今となっては、鶏卵の需要と供給のバランスが崩れていて、鳥インフルエンザの感染拡大による価格の影響であると言わざるを得ません。
今後の卵の価格の見通しなど、現状、どのような把握で、どのような見通しをお立てになっているでしょうか。まずは教えてください。
〔鷲尾主査代理退席、主査着席〕
○渡邉政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘のとおり、鶏卵の価格でございますが、非常に高い水準となってございます。今御指摘の全農たまご東京Mサイズでございますが、二月二十日、キロ当たり三百三十五円ということで、御指摘のとおりでございます。
これは、平年、過去五年間の二月の平均値が百七十七円であるのに比べますと、平年比ですと一八九%、また、委員おっしゃいました前年同月の月平均は百七十五円でございますが、これに比べますと一九一%というのが鶏卵の今の卸売価格の状況でございます。
この主な要因でございますけれども、一つには、飼料価格の高騰などで生産コストが増加しているというようなことが一つございますし、また、委員御指摘のとおり、鳥インフルエンザによる採卵鶏の殺処分羽数が過去最多の千三百六十二万羽ということで、国内全体の採卵鶏の飼養羽数の約一割まで拡大しているということもあるということでございます。
このような中で、家庭消費向けの鶏卵につきましては、長期安定契約の比率が比較的高いものでございまして、地域によっては、もちろん、特定の銘柄が入らなくなって不足をするとかいう結果、ほかの銘柄で代替しているといった例はございますが、家庭消費向けにつきまして、現時点で全体として不足しているかというと、そういうことではないようでございます。パック卵の店頭での一月の小売価格は平年比で一一三%ということで、卸売価格の上昇に比べると、小売の方はある程度限定的でございます。
ただ、一方、委員御指摘のとおり、加工向けの鶏卵につきましては不足感が出ておりまして、一部の業者さんは追加的な輸入の準備を始めていると聞いております。
こうした状況を踏まえまして、日本養鶏協会、生産者団体でございますけれども、傘下の生産者に対しまして安定供給を緊急に呼びかけまして、生産者におきましては、飼養期間を延長するといったような、供給増に可能な範囲で取り組んでいただいているというふうに承知をしています。
今後、卵の価格がどうなるかというのはなかなか予断を持って判断するのは難しゅうございますけれども、農水省といたしましては、引き続き鶏卵の需給と価格の動向を注視しながら、例えば配合飼料価格高騰に対する対策などをやってまいりまして、そういった対策も含めて、鶏卵の生産というものを後押しをしていきたいというふうに考えてございます。
○岬分科員 ありがとうございます。
一日も早く収束をすることを願いますけれども、たとえ収束をしても、養鶏場によっては、すぐに復活ができなかったりですとか、元どおりには戻らないという、一定の期間もかかるかと思います。
野村農水大臣は、一月の九日に、農水省内での防疫対策本部におきまして、非常に強い危機意識を持った対応が必要だと述べられています。全国の農家に対して、徹底した衛生の管理を行うようにと求められました。
殺処分を余儀なくされた方々の心痛、そして殺処分に実際に御尽力をされた皆様方の心の負担などもケアが必要なのではないかとも考えております。
生産を円滑に回復できるように、国としてもしっかりと後押しをしていただきたいのはもちろんですけれども、今後の清浄化の見込みを含めまして、大臣の見解はいかがでしょうか。
○野村国務大臣 私は確かにこの一月にはメッセージを発しました。といいますのが、やはりこの頃、だんだんだんだん鳥インフルの感染が拡大していったものですから、これは大変なことになるよということを省内でも議論しまして、全体的に、鳥を飼っておられる方々あるいはそれに関係する方々に警鐘を鳴らさないと、卵が不足してくる事態になってくるということを思ったものですからやったわけでありますが、しかし、それにもかかわらず、どんどん拡大をいたしまして、先ほど委員おっしゃいましたようなことで、一千四百七十八万羽の殺処分になりました。
それで、私は毎週二回、火曜日と金曜日に記者会見しているんですが、十二月に卵が三百円を超えていたので、卵の値段はどうなりますかと言われたときに、大体年末に上がって、大体一月を越すと下がりますという話をしましたら、案の定、一月になったら二百六十円に下がったんです。一旦下がったんです、三百円が。しかしながら、今度は感染で殺処分が多くなってきたものですから、やはりそれだけ、なかなか卵を産む鳥が少なくなったということで品薄感が出てきて、それで上がりました。先ほどありましたように、三百円を超えるような価格が今出ておるわけであります。
しかし、これは今だんだんだんだん収束に向かっておるような感じを受けているんですが、またうそを言ったと言われるといかぬので。
鳥インフルは、暖かくなってくれば少し収まってきます。そうしますと、今までかかったところは、消毒をしたりして、空舎期間を空けて、そしてひなを入れていきますから、そうしますと、大体、今私が言っているのは、あと六か月ぐらいお待ちください、そうしますと新しい鳥が新しい卵を産み出しますのでということを申し上げているんですが、それにしてもなかなか、六か月間という期間、これは消費者の皆さんにも、それから流通業者の皆さん、販売業者の皆さん方にも大変迷惑をかけていると思います。
ただ、スーパーとかそういうところでは卵が品切れになったということはまだ出ておりませんので、加工メーカーの方々、特に、先般、食品業界の皆さん方の総会に行きましたら、マヨネーズの社長なんかが、とにかく卵を何とかしてくれというお話はいただいておりますけれども、それは輸入で賄ったりとかいろいろな形で対応してくださいよということは今申し上げているところです。
いずれにしても、この鳥インフルを収めないとこれはもうどうしようもないことであります。どうしようもないと言っては失礼ですけれども、早く収めて、そして早く農家の皆さん方にも営農を再開していただきたい、こう思っているところです。
○岬分科員 ありがとうございます。
是非、国民の、家庭の大事な食でございますので、しっかりと回復をすることを願っております。引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、荒廃農地対策について伺いたく存じます。
我が国では、農業者の減少、また荒廃農地の拡大が加速しております。地域の農地が適切に利用されなくなるということが大変懸念をされるわけです。
農業就業者の五割以上は六十歳以上という、いわゆる高齢化に伴って、体力的なものもありまして、リタイアをされる方が増えております。農地など経営資源ですとか、また農業技術が適切に承継されないという例も多く見られるようになっています。そのような背景の下、農地減少が続き、また、荒廃農地の面積は横ばい傾向となっていますが、いずれも改善の兆しはなかなか見られません。
そこで、平成二十六年には農地中間管理機構、いわゆる農地バンクが発足しています。これは農地の集積、集約化を実現するための取組というふうに伺っておりますが、農林水産省の担い手への農地の集積率については、農地バンク発足前の平成二十五年度四八・七%から、来年度の令和五年度には八〇%に引き上げる目標を設定されています。
しかし、この来年の八〇%という目標なんですが、かなり厳しいのではないかなという印象を持っています。令和三年度の末には、この集積率は五八・九%にとどまっております。
背景の理由を考えますと、分散している農地であるとか、また地形的な条件が不利な部分、そういった農地で引受けが進んでいないのではないかと考えられますけれども、全国平均を見ますと五八・九%ということです。
私の地元である愛知県を見ますと、全国の平均五八・九%に対しまして四一%、約二〇ポイントも低い集積率になっております。これがまさに都市農業の課題ではないのかと考えられます。
こうした状況を踏まえまして、農地中間管理機構、農地バンクのこれまでの取組及び来年度の目標であるという八〇%、農水省の現状認識、どのようにお考えでしょうか。教えてください。
○村井政府参考人 お答え申し上げます。
今委員の方から数字、御紹介ございましたけれども、令和五年度までに全農地の八割を担い手に集積するという目標に対して、令和三年度では五八・九%ということになっております。年々増加はしておりますけれども、現状、そういった数字になっているということでございます。
農地バンクが創設されました平成二十六年度以降、農地集積面積は、令和三年度末で二百五十六万ヘクタールとなっております。農地バンク創設前の平成二十五年度末に比べまして、約三十五万二千ヘクタール増加をしているという状況でございます。
このうち、農地バンクによる集積面積は約十五万七千ヘクタール、増加面積全体の四割強を占めている、そういった状況にございます。また、年々、担い手への農地集積面積に占める農地バンクの割合は増加傾向にあるということで御理解をいただければと思います。
一方、令和五年度までとなっております八割集積目標に向けては、農地が分散している状況を改善して、農地を引き受けやすくしていくことが重要であるというふうに考えております。
このため、昨年五月に成立をいたしました一部改正法による改正後の農業経営基盤強化促進法では、人・農地プランを地域計画として法定化し、将来の農地利用の姿を目標地図として明確化した上で、目標地図に位置づけられた受け手に対し、農地バンクの活用により農地の集約化等を進めていくこととしております。
○岬分科員 ありがとうございます。
政府は、人・農地プランの取組も支援をされてまいりました。昨年の、令和四年の通常国会におきまして、農業経営基盤強化促進法の改正法が成立をしております。これは、これまでの人・農地プランを地域計画として法定化したものです。
地元の関係者の声を聞いておりますと、農地バンクがきちんと機能していくのかという心配はかなりあるようでございます。人・農地プランの、地域計画として法定化はされましたけれども、その策定、実行に向けた取組が始まりまして、今後、農地バンクがこれまで抱えていた課題が本当にきちんと解決をされるのか、また、この新たなプランがきちんと機能していくのかという心配がありますが、そこはいかがでしょうか。
○野中副大臣 今委員からもございましたとおり、改正基盤法で、地域の話合いによって未来像をちゃんと目標計画として描き、そして、それを実現するために、多くの受け手を受け入れつつ、かつ集約化を図っていくということになります。
集約化の一つとしまして、現行の農地バンクの農用地利用配分計画、そしてまた、市町村による農用地利用集積計画、これを農地バンクが作成する農用地利用集積等促進計画に統合一元化をすることとします。これらをすることによりまして、農地バンクが有する機能、分散している農地をまとめて受け入れて、そして一団、大きな形として受け手に出すという機能を利用して、大きな固まりで集約化を図ってまいりたいというふうに思っております。
それでまた、その集約化の取組の後押しでありますけれども、農家負担ゼロの基盤整備について、従来の区画整理に加え、新たな、農業水利施設等の整備を加えます。また、機構集積協力金については、農地バンクが貸し付けた農地の集約化割合に応じて集約化奨励金を交付することとしまして、これらのメリット措置として取組を後押ししてまいりたいというふうに思っております。
○岬分科員 ありがとうございます。
いろいろと試みをされている、支援をされているというのは十分に理解ができます。
さらに、各地域の市町村が地域計画を策定しまして、各都道府県単位での取組が行われている。そうすると、多様な地域の実情を踏まえた丁寧な対応が必要になります。
そこで、現地コーディネーターという方々を増員するというふうにも伺っておりますけれども、この現地コーディネーターとはそもそもどんな方なのか、またどんなことを担われるのかという疑問があります。現地の状況や実情がしっかりとお分かりになっている方なのか、地域のそれぞれの特色ですとか実情が把握できていない方が現地コーディネーターになられても、また弊害が出てくるのではないかという心配がありますが、その辺りはいかがでしょうか。
○村井政府参考人 お答えいたします。
農地バンクの現地コーディネーターは、農地バンクを活用した農地の貸借を推進するため、都道府県庁あるいは都道府県の農協中央会職員のOB等を配置をしておりまして、令和四年度時点で全国で約七百名となっております。
令和五年度予算案におきましても引き続き増員に必要な予算を計上しており、農地バンクに対して、地域の実情に詳しい普及指導員ですとか、あるいは農協の営農指導員のOB、集落の代表者等の農地や地域農業に精通した人材にまで募集の範囲を広げてその確保をお願いしているところであります。
今後、目標地図の実現に向けて、現地コーディネーターについて、農家負担ゼロの基盤整備の実施に向けた土地改良区との実施区域の調整や、受け手が不足する地域における中山間地域等直接支払いの活動組織が行う農作業受託の調整、さらには、農地バンクによる遊休農地解消に向けた関係者との調整等の活動を推進してまいりたいと考えております。
○岬分科員 ありがとうございます。
いずれにしても、当事者である地域の方々が一番詳しくて、一番課題意識をお持ちだと思いますので、JAのOBの方ですとか、いろいろと精通されている方というのは分かりましたけれども、今は人手不足というのも叫ばれていますので、適材適所にきちんと配置をしていただけるように改めてお願いをしたく存じます。
次です。
農業委員会は、農業者の意向等の情報を勘案して目標地図の素案を作成されていくというふうに今伺っております。これを、農地関係情報を一筆ごとに表示できるデジタル地図というのを用いるということで、eMAFF地図と言っているということを知りました。
このeMAFF地図、農業委員会で、出し手、受け手の情報は、様々な状況ですとか情報のやり取りを一括してできるタブレットでやっていこうということだと思うんですが、このeMAFF地図、従来から市町村の農業委員会が整備している農地台帳というものもデータをひもづけをして一元管理をされるということですが、これは膨大な量であり、これをきちんと使える、活用できるものに作成するのにはそれ相応の労力や時間がかかると思われますが、整備状況がどうなのかということが一点。
そして、農業委員会の方々、高齢の方も多いと伺っておりますので、タブレットの操作であったりとか、そういったものに抵抗感がある方、このeMAFF地図のデータ分析をうまく活用ができるのかといった心配がございますが、その辺り、支援をされるということですが、どのように進んでいるのか、教えてください。
○菅家政府参考人 お答え申し上げます。
委員ただいま御指摘ございましたように、現在、eMAFF地図の整備を進めているところでございますけれども、これによる農地関連業務の抜本的効率化を実現するためには、農地台帳を始めとする農地情報とそれから地理情報のひもづけ、これが大変大切になってくるところでございます。
現在、全国の自治体を対象としまして、令和四年度より本格的な作業を進めているところでございますので、引き続きこの完成に向けて注力をしてまいりたいというふうに考えております。
二点目の御質問のタブレットの関係でございますけれども、農業委員会の方で目標地図を作成するに当たりましては、高齢な農業委員などの方々もタブレットを活用することになるわけでございますけれども、こういった方々におかれましても円滑にタブレットの操作というのができますように、まず、タブレット上の調査項目は国が統一的に定める。それから、タブレットの入力画面は、選択ボタンを押すだけで次の画面に移行するタッチパネル方式を、非常に使い勝手がいいようにタッチパネル方式を採用する。それから、都道府県農業会議において、タブレットの使用方法につきまして、農業委員会に対する研修や、巡回による操作指導をデモ環境で現在行っているところでございまして、こういった取組をしっかり推進していきたいと考えております。
○岬分科員 ありがとうございます。
いずれにしても、支援することが目的になってしまっては意味がございませんので、しっかりと実際の地域に浸透して、そして皆様が均一に活用ができるように、是非とも進めていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、今日は農地バンク、農地委員会の質問をさせていただきましたけれども、何とも接点を見出せないという農家の方ですとか高齢者の方も実際にいらっしゃいます。そうした方は、これから農業はリタイアするけれども、この農地をどうしたらいいのか困ってしまった、そして、もう今となっては草がぼうぼうであったり荒れ地になってしまったりということで、手のつけようがないというように、困っていらっしゃる方も多くいます。
実際に、私の名古屋市中川区という場所は、まだまだ農業をされていて、これから後継ぎがいないであるとか、もうやめたい、そういったお声もあるわけですね。農地を持っているけれども耕すことができない、売ろうと思ってもなかなか買っていただける方もいないし、そのまま置いておいても困る、どうしていいか分からないという声が非常に多く相談として寄せられています。
これは名古屋だけではなくて、多くの都市地域において、以前は農業をやっていたという方々の共通の問題だと思います。実際、こうした声というのは大臣に届いていますでしょうか。そこも心配となるわけですけれども、踏まえて大臣のお考えをお聞かせいただけますか。
○野村国務大臣 岬委員と違いまして、私は本当に中山間地の田舎も田舎育ちでございますので、十分その声はありまして、実は、私も農地を持っておりまして、つい最近、地元の方から電話がかかってきまして、野村、おまえの土地を何とか貸してくれないかという。それは中山間地で非常に狭い土地だったんです、農地だったんですけれども、それが一面になりまして、すぐに借り手がつきました。
そのぐらい、自分の土地というか農地でありながら、どうすればいいかというやはり疑問というのは出てくるんですが、みんなが話をしていけば、誰かリーダーが、ここは俺に任せろとか、ここはあの人に任せようじゃないかという話合いの結果が出てくるので、今進めております人・農地プランの話合い活動を是非進めていけば、そういった問題は私はなくなっていくと思います。
だから、これからの農地の集積なりあるいは集落の機能というのは、話合いから始まる、そして、ここの農地をどうするかというところから始めていけば必ずや答えは出てくる、こういうふうに思っております。
○岬分科員 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
あと、一点、大変困っていることがあります。それは、農業振興地域というものがございまして、これは私の選挙区である名古屋市中川区でよく寄せられていますが、一部の地域が農業振興地域に指定をされておりまして、農用地では農地転用が禁止されているために、農用地がそのまま放置されている状況が多々ございます。農用地がまとまった土地ではなくて、個人所有の、点在をしている状況でありまして、なかなか前に進まないんですね。農用地区域から除外をしようと思っても、要件が厳しくて実際にはできない。そのような前例がないので、更にハードルが高まってしまっているということなんです。
これからは、時代に応じて農用地を更に活用していく、ほかの用途でも使えるようにしていく必要もあると思いますが、これはまた農水省とともに議論を進めてまいりたいと思いますけれども、世代交代の中からこういった問題がございます。これはまさに、農業振興地域の整備に関する法律、昭和四十四年に制定されておりますので、五十年以上そのままで、今まさに世代交代があるという問題があります。その辺りは、大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○村井政府参考人 お答えをいたします。
担当局が参っておりませんで、農地の関連ということで、農地制度を所管しております私の方からお答えをさせていただきますけれども、各地域のそれぞれの状況に応じて、大変、農地をめぐっていろいろな問題が発生してきているというのは我々も重々承知をしておりますけれども、一方で、食料安全保障が課題となっている中で優良農地をいかに確保していくか、こういった視点も極めて重要であるというふうに考えております。
我々の立場といたしましては、優良農地をしっかりと確保して、それをきちんと適正に、総合的に利用していく、そういった視点から、引き続き農地制度については検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○岬分科員 時間いっぱいまでお答えいただいてありがとうございます。